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【2分で読めるコラム】狭小地ならではの工夫

この記事は【コラム】狭小地ならではの工夫 を再編集し、短くまとめたものです。

待機児童問題が社会問題としてクローズアップされてからかなり時は経ちますが、都市部では未だに政府が掲げている「待機児童数0」に至っていません。保育所が不足している地域はまだ多く、特に都市部や出勤時の送迎に利便性のある駅近くに保育園が開園するのを待ち望む子育て家族は少なくありません。

今回ご紹介する「さくらそう保育園元郷」は、最寄駅から徒歩7分というエキチカの立地で、園庭を設けることが難しい限られた敷地に2019年に計画した、60名定員の保育園です。
敷地面積233㎡(約70坪)、そして建ぺい率60%の敷地では、園舎を建てることが出来る建築面積も139㎡(約42坪)と限られてきます。そのため、すべての空間を子どもの場として考え、園舎内に子どもたちの様々な活動の場を盛り込み、狭小地における豊かな保育環境を目指しました。

まずは、空間を仕切ることをやめました。限られた空間に壁を設ける代わりに、床に段差を設けることで空間を立体的に緩やかに区画しています。視線が抜け、拡がりのある空間とするため、廊下は一切設けず、部屋と部屋の間は壁でなくフロアー段差で区切ることで空間の有効活用を図っています。
限られた空間を豊かな保育空間とするために、空間の回遊性も大切にしています。敷地南側 の保育室と敷地北側の職員コーナー・多目的コーナーは中央の階段のみでなく、外部テラスの緩やかなスロープでもつながり、建物に回遊性を創りだしています。

この段差を利用した空間の有効利用計画は、「主体的な活動(自由遊び)を中心とする保育により、自発性と思いやりの心を育てる」という保育方針を掲げる園で実現しました。子どもの安全を考慮し、段差をゼロにという思考でなく、子どもたちはそこにある段差から自発的に様々な事を学ぶという考え方で園舎を計画しています。

閉じた保育室で職員が教えるのではなく、園児自らが遊びを発見するという自由な保育理念が、限られた敷地であることを感じさせることなく、豊かで大らかな保育空間を生み出しました。このような狭小地での園舎のあり方が、今後の地域の子育て環境に一つの新たな可能性を提示できると嬉しく思います。

※建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合のこと。建ぺい率の制限は自治体ごとにパーセンテージが異なる。

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