起伏に富んだ土地を生かした「小さな森」のような園庭
今寺保育園は、1974年の設立以来、青梅市内の川沿いで運営してきました。川の氾濫リスクを考え、高台への移転が決定し、2014年に新園舎として再スタートしました。書籍のインタビューでは、今寺保育園の勝野智信園長にお話を伺いました。
園庭で遊ぶ時間を通して、さまざまな経験を得る
勝野智信園長『新園舎で特に力を入れたのが、園庭です。私たちが掲げる保育目標としては大きく3つあり、「健康で素直な子」「きまりを守り仲良く遊べる子」「きちんと挨拶ができる子」。こどもたちは日々の遊びを通して、さまざまな経験を得ます。もちろん室内での遊びも重要ですが、戸外での遊びから得るものは大きく、園庭で遊ぶ時間を通して、この3つの目標を達成できると考えました。私たちの園庭は、「冒険の森」と「みどりの丘」、「水遊びと果樹の丘」、そして「土の園庭」、この4つのスペースに分かれています。園舎を移転したこの場所はもともと林で、起伏に富んでいる土地でした。本来の土地の良さを生かすために、自生の樹木を残しつつ、植栽して「小さな森」のようなつくりにしました。』
園庭をすぐそこに感じられる空間
勝野智信園長『園庭を含めて、園舎全体の設計においては、太陽とひまわりをモチーフにしました。太陽に向かってどんどん伸びていくひまわりのような強さをもったこどもに育ってほしいと考えてのことです。それを具現化した個性ある形で、温かみを感じさせる園舎にしたいと思っていました。実際に園舎の屋根は円を描いていて、丸みを帯びた形がかわいらしく、優しい印象を与えてくれます。また、保育室から園庭に臨む窓の全面をガラス戸にしたことで、こどもたちは保育室にいながら、庭がすぐそこにあるかのように錯覚できる、そんな素敵な空間となりました。』
社会福祉法人 今寺保育園
施設名 今寺保育園
所在地 東京都青梅市
構造規模 鉄筋コンクリート2階建て
延床面積 1218.05㎡
園庭面積 1291.22㎡
竣工年月 2014年2月