こどものための認定こども園・幼稚園・保育園

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【コラム】狭小地ならではの工夫

待機児童問題が社会問題としてクローズアップされてからかなり時は経ちますが、都市部では未だに政府が掲げている「待機児童数0」に至っていません。女性の社会進出・保育士不足・核家族化の進行等の様々な事情が絡んでいますが、保育所が不足している地域はまだ多く、特に都市部や出勤時の送迎に利便性のある駅近くに保育園が開園するのを待ち望む子育て家族は少なくありません。

今回ご紹介する埼玉県・川口市の「さくらそう保育園元郷」は、最寄駅から徒歩7分というエキチカの立地で、広さ233㎡(約70坪)の園庭を設けることが難しい限られた敷地に2019年に計画した、60名定員の保育園です。

敷地の有効利用

敷地面積233㎡(約70坪)、そして建ぺい率※60%の敷地では、園舎を建てることが出来る建築面積も139㎡(約42坪)と限られてきます。そのため、すべての空間を子どもの場として考え、敷地内そして延床面積386㎡(約116坪)の園舎内に子どもたちの様々な活動の場を盛り込み、狭小地における豊かな保育環境を目指しました。

まずは、空間を仕切ることをやめました。限られた空間に壁を設ける代わりに、床に段差を設けることで空間を立体的に緩やかに区画しています。視線が抜け、拡がりのある空間とするため、廊下は一切設けず、部屋と部屋の間は壁でなくフロアー段差で区切ることで空間の有効活用を図っています。

具体的には、敷地南側の1階に0、1歳児保育室、2階に2、3歳児保育室、3階に4、5歳児保育室を配置しました。そして敷地北側は、南側から段差を設け2.5階に職員コーナー、3.5階に多目的コーナーを配置し、 フロアー段差を緩やかな階段でつないでいます。この緩やかな階段は、図書コーナーであり、ベンチでもあり、子どもたちが年齢の垣根を超えて交流する場として機能しています。

また、フロアー段差を設けることで、 職員コーナーからは、3階保育室、2階保育室のみでなく、吹抜けを通じてエントランスも視認できる配置となっています。空間の有効利用を図った結果、3.5階には多目的スペースが確保され、こちらも異年齢の交流の場として利用されています。

※建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合のこと。建ぺい率の制限は自治体ごとにパーセンテージが異なる。

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