こどもたちが五感で自然を体験できる工夫【アザレアキッズステーション】
2016年3月竣工の、広島県東広島市にある“幼保連携型認定こども園 アザレアキッズステーション”。今回は園舎設計のコンセプトの一部をご紹介します。
地域の中で、自然とともにある園
この土地は、北、南、西の三方を山に囲まれた、自然豊かな土地です。その恵みをこどもたちに体感してもらいながら過ごせるように、園舎の設計を進めてゆきました。木材やレンガを多用したこの外観は、周囲の山並みや裏山ともよく調和しており、「地域の中で、自然とともにある園」という園長先生の思いを具現化したつくりです。こどもが自然を五感で体感できる仕掛けもさまざまつくりました。その一つが縦樋(たてどい)です。雨が降れば、屋根の雨水がザアザアと水盤に落ちる。雨音のおもしろさや水面に走るしずくの美しさを、こどもたちはまぢかで感じることができます。
家庭的で癒される空間を目指して
内装にも木材を多用して、木の香りとぬくもりに包まれた、家庭的で癒される空間を目指しました。また、「こども一人ひとりの個性を尊重したい」との考えから、それぞれの保育室の屋根の形や色を変え、あえて「違い」を設けましたが、広い廊下やバルコニーといった、各保育室をつなぐ「間」の空間を重視しています。
設計士:松尾 宏樹