こどものための認定こども園・幼稚園・保育園

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【2分で読めるコラム】地形を生かした園舎と園庭

何やら楽しげな語感のある「スキップフロア」という言葉を耳にされたことはありますか? スキップフロアは建築用語です。建物の床が積層していく際に、通常なら一階二階と重なっていくところ、スキップフロアの場合は階と階の間に中二階、中三階と中間階が存在します。

通常、私達が幼稚園や保育園を設計する際、一階と二階のレベル差(建築用語では階高と呼びます)は3.5m程度ですが、そこに中間階を入れようとすると、一階と中二階のレベル差は1.8m程度となるわけです。短距離の昇降でフロアの位相が変化するスキップフロアの楽しさを知る設計者は、無意識にそのチャンスを窺っているものなのかも知れません。

静岡県富士市にて、まだ造成前の雑木林だった計画地を案内された時、そのチャンスが訪れたことを知りました。住宅地の中で長い歴史を刻んできた幼稚園が、緑豊かな新しい環境の中、幼保連携型認定こども園として移転改築する事業です。
計画地で目を引いたのは、敷地中付近で1.8m程の段差を持った二段の台地の姿でした。その地形を活かそうと考えた場合、二つの台地を跨ぐように園舎を立てると東西で床が1.8mずれてしまう、それを逆手に、魅力的に解決してくれる手法がスキップフロアだったというわけです。

スキップフロアを昇降する手段として、中央棟の外周山側に階段、海側にスロープを描きました。僅か12段で半階を移動できる階段が移動の中心になり、スロープは忘れ去られる存在になるのではないか、という意見もありましたが、スロープ+αの機能を加えることで、移動空間の価値を高められると考えました。

園の先生方との白熱した議論の末、+αの機能を図書館にすることになりました。緩やかに傾斜したスロープに沿って、表紙出し3段の書棚と読書用のベンチが交互に連続し、子どもたちが絵本の世界に浸る総延長44mのユニークな図書館となりました。
園舎がスキップフロアを採用すると、自動的に園庭もスキップすることになりました。東側の高い台地の園庭用地は、「土の園庭」と名付けられ、運動会やサッカー教室に対応した土のグランドです。一方、西側の低い台地の園庭用地は「土の園庭」から1.8m下がったレベル、以上児クラスの前に広がります。敷地外の杉林を借景としたこの庭は「森の園庭」と名付けられました。そして、西側中二階の屋上「空の園庭」も合わせた三つの庭がレベルを変えながら連続する、それがみのる幼稚園のスキップガーデンです。

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