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【2分で読めるコラム】階段まわりの工夫1

この記事は【コラム】階段まわりの工夫 を再編集し、短くまとめたものです。

建物において、地階や 2 階建て以上になると上下階をつなぐ階段が必ず必要である。階段は、日常的 に人々が行きかうタテ動線、避難においても重要な役割を担っているが、園舎設計では階段まわりに+α のひと工夫を取り入れることで、違う用途が生まれたり、子どもたちの動線に遊びのひろがりをもたらすスペースとなるため、最も大切な空間のひとつと考える。

今回紹介する社会福祉法人松栄福祉会 羽村まつの木保育園では、園舎の建て替えの設計段階より、先生から「階段を中心とした園舎にしたい、そこには絵本コーナーや登り棒などを設置して子どもたちが遊べるスペースとし、子どもたちのやりたい事が叶えられる保育園にしたい。」と要望があった。

新園舎設計の段階でキーとなったのは、園庭にあった大きなケヤキの木である。
先生方の要望から、木の幹のまわりにリーフ (保育室) がつらなり、子どもの成長を見守る園舎、建物の中心となる階段をケヤキの木の幹に見立てたプランとなっていき、これを新園舎のコンセプトとした。

この園の特色は、園舎に入ると、玄関のほぼ正面に位置する内部階段を見通せることである。階段の延長上に図書コーナーを設けたため、子どもたちが楽しそうに本を読んでいる姿が真っ先に視界に入る。
階段裏下には、子どもたちが集いやすいようオーバル型のエリアをつくり、床との段差を設けることで、ベンチのかわりとなっている。床の段違いやステップ、仕上げ材を変えて意図的にデザインすることで、空間に変化をもたらすことができる。

図書コーナーから階段裏下の集いの場所をつなぐ一部に登り棒を設置し、タテ動線にちょっとした遊びを取り入れた。一方、階段裏は一部天井が低い部分ができるので、大人の目線よりも低く狭い空間は、子どもたちにとっての隠れ家のようでワクワクする空間となる。
階段まわりに様々な仕掛けを施すことにより、保育園で生活する子どもたちの創造性を豊かにしてくれる。

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