2017年3月竣工の、兵庫県揖保郡にある“幼保連携型認定こども園 安養保育園”。今回は園舎設計のコンセプトの一部をご紹介します。
こどもの目線で楽しめる工夫
外観は、周囲の建物や田んぼの景観に合わせ、切妻屋根を採用しました。本を伏せたような、山の形状をした屋根です。玄関を入ってすぐのホワイエ（エントランス）は開放的な大空間にして、明るい空間にしました。そのホワイエとは対照的に、こどもの遊び場はこどものスケールで設計し、ホワイエの裏側に設けたDENには、こどもの目線で動きまわれるトンネルやキャットウォークを設け、全体が「隠れ家」「秘密基地」的な楽しみ方ができるように工夫しました。
あたたかみのある空間
暗くなりがちな中廊下は、切妻屋根の中心に据え、トップライトを設けることにより、明るい空間を実現しました。南側に設置した、こどもたちが座って電車を眺めることができるウッドデッキのテラスは、庇（ひさし）にも木材を採用。ルーバー※を用いることにより、全体的に柔らかく、あたたかみのある空間となるよう配慮しました。
※ルーバー：細長い板を、隙間をあけて平行に組んだもの。
設計士：松尾 宏樹
