【2分で読めるコラム】子育て支援棟+α
今回は、多様化する子育て支援のうち「地域子育て支援センター事業」について記載述べたい。
子育て支援センターとは、地域子育て支援拠点事業の一つとして位置づけられており、様々な親子向けのプログラムが開催されるだけでなく、核家族化が進む現代社会で子育てへの不安・負担の増加や、地域での子ども同士・大人同士の関わりの減少、そして問題を抱えた家族が必要な支援とつながりにくいなどの問題を解決すべく、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育てへの不安・悩みを相談できる場を提供・運営する施設である。
弊社でも子育て施設プラスαと位置付ける施設を設計監理したのでご紹介したい。
主体は幼稚園で、幼稚園棟と隣接する場所に地域の為の子育てスペース、0歳から3歳までの子どもと保護者が遊べる広場の計画をお手伝いした。
子育てスペース広場は天井を高くとって大空間とし、開放感を持たせた。内装は室内にいながら屋外のように開放的で、ピクニックの気分を味わえる森をイメージとデザインした。
そこでは外とは別世界にいる感覚をもたせたかったので、窓をできるだけ少なくし、壁一面にグラフィックシートを貼って塗装し、ここにしかないオリジナル空間となった。
子どもが思い思いの遊びに集中できるよう、絵本、電車やブロックなどのおもちゃを用意しているほか、すべり台や奥には天井が低いスペースがあり中に入ると狭く薄暗く、はじめは少しドキドキするけれど中に入ると不思議と落ち着く「DEN」や、木の中にも入れる空間がある。
天井が低く、こどもが頭をぶつける可能性がある箇所には柔らかいウレタン素材を貼る等の安全対策を施している。
地域の子育て支援施設については、「幼稚園」「保育所」から始まり様々な形態で幅広く存在しているが、子育て世帯が使用しやすい+αの機能を備えた施設があることで、利用する親子同士自然な交流を生み出し、良好なコミュニティの形成を期待できる。
また、施設を利用すれば主体である園の雰囲気がわかることから、子どもが成長し入園を考える際、保護者にとって園選びの判断材料になり得る。これらのことから、今後も同様の施設が広がるだろうと考えている。