• こども建築

沖縄を感じる園舎づくり【実りの森保育園】

実りの森保育園の新しい園舎づくりは、「こどもがすぐに外に出られるつくりに」「心地よい空間に」「本物の材料を使う」の3点をテーマに進められました。
書籍のインタビューでは、実りの森保育園の岸本功也園長にお話を伺いました。

2018年発刊 『こどももおとなもうれしい園舎

「自由に外に出られる」オープンなつくりの園舎

岸本功也園長『「すぐに外に出られるつくり」にこだわったのは、「出たいと思えばすぐに出られる」環境で育つと、自分で壁をつくらず、いろんなことに自由に挑戦できるようになるからです。先生たちが適切に見守り、室内室外を気にすることなく、「当たり前に外に出られる」ようにするため、園庭側は、全面開口のオープンなつくりにしました。大人より背が低いこどもでも、屋内からも窓に目をやればいつでも自然が目に飛び込んでくるし、耳を澄ませば風や葉のそよぐ音や鳥の鳴き声が聞こえてきます。こどもたちは常に自然から刺激を受けて、五感を鍛えながら育っていきます。』

沖縄の風土を感じる「心地よい空間」

岸本功也園長『「心地よい空間」にいると、こどもたちは気持ちよく落ち着いて過ごせます。新しいこの園舎は、高台にある上、風の流れを考えた設計のため、亜熱帯気候の沖縄に建つ園舎でありながら、保育室にエアコンはありません。また、各保育室は、園庭に面した広いウッドデッキでつながっています。こどもたちは、この外のような室内のような空間にいるのが大好きです。外観は、沖縄の伝統的な古民家風にしました。育った園が、「なぜだか沖縄、名護を感じる」ようになってもらいたかったからです。屋根は、戦後、名護から沖縄全域に広まったセメント瓦です。今ではこの瓦を造る工場は一軒しか残っていないので、少しでも名護の文化を残したいという気持ちもありました。外溝には、沖縄らしい琉球石灰岩を使っています。』

社会福祉法人白銀福祉会
施設名 実りの森保育園
  所在地 沖縄県名護市
 構造規模 鉄筋コンクリート造平屋建て
 延床面積 556.82㎡
 竣工年月 2017年3月

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