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愛着を育む改修。図書スペースの改修提案。【わしのみや保育園】

少子化が進む現在、競争はより一層厳しいものになる可能性があります。長く選ばれ続ける園にしていくためにも、他園との差別化を図る必要があります。

差別化のポイントとして、各園ならではのオリジナリティが求められていくように感じます。我々はそこに子どもの思いや保護者が子どもを預けたいと思う環境をかたちにしているのか、職員が働きやすいものになっているのか、地域・場所に馴染む愛されるデザインになるように心がけています。

その環境の整備として「リノベーション」によってさらに愛着をもてるようなデザイン提案をした埼玉県にある「わしのみや保育園」の図書スペースの改修提案を紹介したいと思います。

この園は、階段下の空間が物置となっており、もったいなく感じているスペースを有効活用したいとご相談をいただきました。

今回提案した階段下の図書コーナーは、保育室とは区別し、絵本に没頭でき、籠れる空間。エントランスホールにあるため、子どもも保護者も日常的に往来し、気軽に絵本に触れ合うには最適な空間です。幼児教育の中でも大きな役割を果たすものとして、図書コーナーを提案しました。

園名の「わしのみや」から鷲を、そして籠れる空間であることから「鷲が見守る図書スペース」として計画。壁をつくり、エントランスから隔てるのではなく、幹に見立てた柱を交差させ、図書コーナーの中は周りから視線が遮られ、籠って絵本に夢中になれる場所になります。木々の間から子どもたちの動向が見えるため、保護者や職員は子どもを見守ることができます。

子どもは広すぎる場所よりも、狭く籠れる場所が大好きです。そういったスペースを適所に設け、子ども一人ずつに自分だけの大切な居場所となる空間を設けられるよう工夫しています。

日々求められている保育の内容が変化していくように、園舎においても変化に対応して使いやすいようにリノベーションすることによって、イメージアップしていくことができます。今ある園舎をリノベーションすることは、サステナビリティの観点からも今度さらに重要な考え方になっていきます。

また、建物を活かし、思い出を繋いでいくことで、より一層今の園舎への愛着を育むことができる点は、新築とはまた異なる魅力を生み、長く選ばれ続ける園の要素となっていくのではないでしょうか。少しずつ思い出を重ね、園を利用する子どもや先生方、そして地域の環境に馴染み、子どもたちの成長とともに、建物も一緒に「育つ」ものでありたい。日々、そう願いながら設計しています。

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