• こども建築

園庭整備の実例とその効果2

今回は、子どもの様々な活動や遊び行動から、子どもの育ちと園庭環境の関係を時設計の設計実例を交えて分析します。

園庭環境に関心が高まっています

今までの園庭は、造園的観点と認定面積基準を満たす目的で作られる傾向にありましたが、最近では質の向上、子どもにとってより良い環境にしようとする活動や施策が海外で活発になっており、国内でも園庭環境に関心が高まっています。

園庭整備の実例とその効果

植栽や花壇は、木登りやどんぐり、柿等の木の実を収穫したり、季節を感じたりする自然体験になります。ストレス緩和(来園した大人にも効果あり)やリラックス効果もあり、子どもの心への影響が大きいと思います。食育もできますし、草花を自分で摘む体験(草花を摘んだ経験のない子どもが増えているそうです)も行ってほしいです。そして、花や葉っぱの工作、色水遊び、見立てごっこを通して、形や色、数の認識、匂いや感触も体験できます。

遊環構造とは、園庭全体もしくは一部を一周できるコースのことです。途中に近道や小屋、高低差を設置すると、さらに楽しくなります。ぐるぐる走り回るだけで自然と体力がつき、いつの間にか何周も回っている、なんていうこともあります。また、三輪車で高低差のあるコースを走ると、ペダルをこぐ力の調整を自然と行うことになり、身のこなしが上達します。

園庭遊びの効果

幼児期は「遊び=学び」が、生涯にわたる人格形成の基礎を培う上で重要なものであり、運動能力の急速な発達、多様な動きを身につけられる時期でもあります。園庭遊びは、規制の多い公園や習い事と違い、思いっきり仲間と自由に繰り返し遊びを発展させることができます。

しかし、外遊びには保育室以上にリスクが伴います。遊びの中で、子ども自身のリスク回避能力を育てていくにはどうすれば良いか、園庭整備をする上でどこまで安全に配慮してつくるか、これからの子どもたちに求められる資質と、園の基本理念を照らし合わせて考えていくことが必要です。

幼児期の外遊びの景色や花の名前、草や虫で遊んだ思い出は、原風景として心に沁み込み、その後の人生においての自尊感情、意欲、関心等を高めるといわれています。これからの時代、幼児期は自然(外)遊びをたくさんして、多様な世の中を「生きぬく力」を育んでほしいと願っています。

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