• こども建築

園庭整備の実例とその効果1

今回は、子どもの様々な活動や遊び行動から、子どもの育ちと園庭環境の関係を時設計の設計実例を交えて分析します。

園庭環境に関心が高まっています

今までの園庭は、造園的観点と認定面積基準を満たす目的で作られる傾向にありましたが、最近では質の向上、子どもにとってより良い環境にしようとする活動や施策が海外で活発になっており、国内でも園庭環境に関心が高まっています。

その理由は色々ありますが、一つには幼児期の自然(外)遊びがとても大切だとし、園庭のあり方を見直す動きがあります。国内外ともに子どもの運動能力の低下、自然(外)遊び時間の減少、スクリーンタイム(スマホやテレビ画面を見ている時間)の増加、夜型生活等々、子どもの健康や遊び環境は悪化してきています。そして、それらを危惧する意見も多く、園での外遊びや実体験が必要不可欠になってきています。

園庭整備の実例とその効果

築山や斜面は、起伏性が足裏から全身の運動能力を向上させ、バランス感覚・平衡感覚を鍛え、自然に多様な身のこなしができるようになります。また、そり遊び・転がり遊びができ、高低差を体感することができます。自らの意思で登るので、主体的な挑戦から達成感を得られ、自信に結びつきます。

芝生の上では、転倒によるケガを気にせず遊びに夢中になれるので、身体活動量が多くなり、脚力が向上します。天然芝は保水性があるので夏は涼しく、青々と茂った緑色はリラックス効果もあります。天然芝は維持管理が必要で少し大変ですが、柔らかく青々とした芝生は乳幼児期の遊びの環境に適しているので、よく設置されています。

砂場は、泥団子を作り、みがき、一緒に山を作ってトンネルを掘り、水を流し、道具を貸し借りし、片付け、時にはけんかしたり、砂の触感や匂いをかいだり、埋めたり、崩したり……。遊びの中でも砂場は、科学的な体験と五感の発達、創造性、社会性等を育むことができるので、多くの意義を持っているといわれます。写真の砂場は土、山砂、川砂に分かれていて、子どもは目的を持ち、思い思いの場所で創作や実験を行っています。

園庭整備の実例とその効果2に続く

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