• こども建築

遊戯室やランチルームの配置の工夫【韮川こども園】

群馬県太田市は、市内の老朽化した保育所、幼稚園等の幼児施設について、市の施策として約20年間にわたって計画的に建て替えを支援、推進してきました。

今回紹介する「韮川こども園」(定員170名)と「Kids Islandうちがしま」(定員120名)は、どちらも近年に建て替えを行った、太田市内では中規模の幼児施設です。
両園とも延べ床面積は約1000㎡で、郊外の住宅地に建設されており、周辺環境に配慮して高さを抑えるために平屋建ての園舎としています。

遊戯室、ランチルームの配置

遊戯室とランチルームは一定の広さを必要とし、使用する時間帯も重ならないため、その用途を兼用する場合が多いです。
ゾーニングにおいては、乳児部門、幼児部門を分ける中央部に配置されることが、こどもたちの移動時間と導線を考えると運用面からも使いやすいとされる傾向にあります。

また、季節ごとに行われる催事では、楽器による演奏も行われます。
日々、その練習の場として利用することも想定されるため、今回のように住宅地に建設する場合は、近隣への音問題に配慮して、室の周囲を廊下や諸室に囲まれた配置とし、直接外部には面しないことで、音が漏れにくいような配置計画としています。

韮川こども園では、予算的な面と園庭をできるだけ広く確保したいとの要望から、遊戯室の床面積は約75㎡と比較的小規模な設定です。
通常時は体操や小さなイベントの場として利用されていますが、入卒園式や遊戯会を行う際は、前面の廊下、5歳児保育室の扉を開け放てるよう設えており、3室(合計約190㎡)を一体的に利用できるようになっています。

Kids Islandうちがしまでは、遊戯室を幼児部門のランチスペースとして日々利用するため、床面積は約110㎡として、一定規模をあらかじめ確保しています。
調理室を隣接して設けることで、料理や食器の受け渡しと、オープンな調理室とランチルームの視覚的関係性を演出して、食への意欲や関心を育てるとともに、異年齢のこどもたちが食を共にするためのマナーを学ぶ食育の場となっています。こども自身が配膳、下膳をしたり、調理をしている様子を直接見ることもできます。

関連記事: 保育室や絵本コーナーの工夫【韮川こども園】に続く

この記事で紹介されている園・施設
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