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イメージアップできるリフォーム・リノベーション2【しろがね幼稚園】

補修・修繕の建物をケアすることも大切でもありますが、「改修」「リフォーム」のご相談は施設園のイメージアップが強い「リノベーション」が求められることが多いと感じます。

少子化が進む中で、こども園、幼稚園、保育園が選ばれる園として、保護者の目線、こども達にとっての良い空間を提供していきたいと園を運営する事業主の想いや意識が強くなっていると感じています。

今回は、埼玉県桶川市に所在のしろがね幼稚園の実例を紹介したいと思います。

こども達の給食を提供する為に、調理室の増築をメインにランチルームとリノベーションした案件です。こども達に温かいごはんや汁物を食べさせてあげたいという先生の優しい想いから、調理室の増築を行い、既存の会議室と接続された2階の増築部をランチルームとしたものです。

一度調理してチルドされた弁当よりも、保存料等の余計な材料を使用せず自園でつくった温かな給食の提供は、園選びの基準においても重要な要素となってきています。

増築部の調理室は、既存の玄関から入り組んでいる場所にあり少し見えづらかった為、給食を作っている様子がオープンに見えるようにガラス張りとしました。
厨房が見えることで、調理スタッフも、調理室を一層きれいに保ち、こども達が廊下から見てくれば更に美味しい給食を作ろうといった気持ちが出てくるものであり、また、こども達も食材や作り方、作ってくれる調理スタッフの顔が分かるため、一生懸命食べようという意欲が芽生えるだろうと思います。

設計者もプランニングに当たり、このような相乗効果が生まれるよう意図してプランを練ります。

食育は、こども達にとって大切な要素となる為、食事をする行為の空間も特別な場所として、こども達の気持ちが上がるように内装空間を心掛けます。
増築する上で、接続する既存の柱型が室内の中心に露出されてしまうので、モチーフとしてこの柱型をアールに施工し樹木にみたて、どんぐりの照明を設置することで、保育室とは違った空間をつくりました。ランチルームに設置したこどもキッチンは、こども達が給食をよそう配膳カウンターの役割の他、保護者にむけた親子料理教室に使用出来るようにと考えたものでもあります。

園舎設計も機能性のみならず、用途の多様性が重要なファクターとなる「+α」の時代になってきています。

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