素材の良さを生かした園舎づくり【浦和つくし幼稚園】
2017年3月竣工の、埼玉県さいたま市にある“浦和つくし幼稚園”。今回は園舎設計のコンセプトの一部をご紹介します。
できるだけ素材のまま使用する
園舎づくりにおいては、木やガラス、鉄、コンクリート、植物などの素材の良さや持ち味を引き出すため、できるだけ素材のまま使用するよう配慮しました。本園舎で、教室の床材に採用したリノリウムは色鮮やかな素材で、一部分に何色も組み合わせることが可能なため、デザインに幅を出すことができます。また、自然素材の亜麻仁油を原材料としていて抗ウィルス効果、抗菌効果、脱臭効果、抗アレルギー効果があります。
こどもたちの遊び方や保護者の使い方の幅を拡げる
「ゆうぎ室棟」のリニューアルでは、「耐震補強」という一見ネガティブにとらえられてしまいがちな要素を、ポジティブにとらえて設計を行いました。外装は本園舎と同じ建材を使い、統一感を出しています。内装では補強材の鉄骨フレームは壁の中に入れ、壁にランダムに小さな窓を設け、積極的に意匠に取り組むようにしました。多目的スペース「つくしひろば」にはボルダリングスペースやカフェコーナーなどを設け、こどもたちの遊び方や保護者の使い方の幅を拡げられるように意図して設計しました。
設計士:吉野 達也