北向きでも明るく、降雪時でも遊べる工夫【大関保育園】
2017年3月竣工の、福井県坂井市にある“大関保育園”。今回は園舎設計のコンセプトの一部をご紹介します。
太陽光が効果的に入り込む工夫
目指したのは、木の優しさとぬくもりにあふれた園舎です。保育室が園庭の南側に配置されるプランとしたため、各保育室とも、園庭に面しているのは北側となってしまうので、どのようにして明るさを確保するのかにも注力しました。太陽光が効果的に入り込む位置に窓を配置し、北向きであっても明るい空間となっています。
また、冬が長い北陸にある保育園なので、保育室と園庭の間に広い縁を設け、降雪時に遊べる空間も用意しました。半屋外的で曖昧なこの空間で、こどもたちが思い思いにのびのびと遊びに熱中しています。天井を高くしているのも、冬に屋内で開放的な気分になって遊んでもらいたいための工夫です。
「外」と「中」をつなぐ土間通路
エントランスホールを横切る土間通路は、細長い園舎を横切るための「通路」ですが、「外」と「中」をつなぐ場でもあります。この土間によって、「外部空間」が「園内」に持ち込まれ、こどもたちの生活に多様性をもたらしてくれる。通路であると同時に遊びの場でもあり、結果として園舎空間により拡がりを持たせてくれました。
設計士:吉野 達也