• こども建築

「遊び」のしかけが散りばめられた園舎

大関保育園は、1960年に開園しました。以前の園舎ができたのは、1977年。その後建て替えを行い、現在の園舎は2017年の3月から使用しています。新園舎の設計の際には「こどもがこどもでいられる空間」をテーマに掲げ、こどもらしさを大切にできる保育園を目指して園舎づくりが進められました。書籍のインタビューでは、大関保育園の文珠康明園長にお話を伺いました。

2018年発刊 『こどももおとなもうれしい園舎

こどもが喜ぶ「遊び」のしかけを散りばめる

文珠康明園長『完成した木造平屋建ての園舎は、こどもにも保育士にとっても使いやすく、なおかつ、こどもたちが喜ぶしかけがいくつも散りばめられています。もともと玄関が2か所に分かれていたのですが、橋を渡るような場面が生活の中にあってもおもしろいと考え、2つの玄関をつなぐ土間に、平均台のような細い板や飛び石を配置しました。この土間は細長い園舎を横切る通路であり、こどもたちは保育室から遊戯室に移動するとき、必ずこの橋を渡ります。この土間のおかげで、園庭へ向かうのも、下足のままで建物の反対方向に回らなくてもすむようになり、動線が途切れることもなくなりました。』

「使い勝手」を追求したつくり

文珠康明園長『使いやすく、こどもたちが遊べるしかけの多くは、保育士の意見がもとになって生まれたものです。平屋建てにしたのも、「2階建てにすると目線が分かれてしまい、こどもたちのようすが見づらくなる」という意見を取り入れてのことです。設計するにあたっても、壁に釘を打てたりフックを付けられたりと、「生活のなかで利便性を追求し、自由にアレンジできるようにしてほしい」という要望を反映しました。』

社会福祉法人大関保育園
施設名 大関保育園
  所在地 福井県坂井市
 構造規模 木造平屋建て
 延床面積 998.25㎡
 竣工年月 2017年3月

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