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【2分で読めるコラム】階段まわりの工夫2

この記事は【コラム】階段まわりの工夫 を再編集し、短くまとめたものです。

建物において、地階や 2 階建て以上になると上下階をつなぐ階段が必ず必要である。
階段は、日常的 に人々が行きかうタテ動線、避難においても重要な役割を担っているが、園舎設計では階段まわりに+α のひと工夫を取り入れることで、違う用途が生まれたり、子どもたちの動線に遊びのひろがりをもたらすスペースとなるため、最も大切な空間のひとつと考える。
社会福祉法人永寿荘 大山西町保育園は、区の民間委託の公募による新築計画の保育園であり、やさしい、温かい、友好的な、親しみのある…「Friendlyやさしさをカタチに」 をコンセプトにした園舎である。

階段は、建築基準法上、踏面、幅、蹴上と規定があるため守らなければならない制約があるが、園舎のシンボルになるよう設計したこの階段は、幅をおおよそ1800 mmとゆとりを持たせ、踏面幅を450 mm、蹴上150 mm以下とした23段の緩やかな階段となっており、つまずきの原因となる踏み面の突起をなくし、小さな子ども、保育園の催しで訪れる園児たちのおじいちゃん、おばあちゃんにも上り下りが楽で、コンセプトに通ずるやさしい階段となっている。同じく、保育園で働く先生たちにも、上下階へ移動する時にかかる腰の負担が軽減するよう考慮している。

日が暮れた時間帯には、階段の吹き抜け上部のペンダントライトが、空間を温かく照らし、日中とはまた違った演出をもたらしてくれる。ペンダントライトも万が一、落下した時に危険が無いように、ダンボールで作られた軽い素材のものを選定し、ここにもやさしさを配慮している。

子どもたちと先生との何気ない会話が聞こえてきそうな、保育園に通うみんなの友好をつなぎ合わせ笑顔になる空間として設計した階段だが、ここに通う子どもたちの思い出の場面と共に、保育園を訪れるすべての人の印象に残る空間であったなら嬉しい。

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