• こども建築

こどもの「自由な発想」を拡げる園舎

しらさぎ保育園が目指すのは、こどもの「のりしろ」をたくさんつくること。こどもたちが多種多様な経験をするための環境づくりをどのように進めるべきか、設計の途中に議論を重ねてこの園舎ができました。書籍のインタビューでは、しらさぎ保育園の上原隆寛園長にお話を伺いました。

2018年発刊 『こどももおとなもうれしい園舎

「自由な発想」のヒントとなるデザイン・コンセプト

上原隆寛園長『当園のモットーの1つが、「チルドレン・ファースト」です。園舎づくりにおいても、この観点を優先したいと考えていました。そこで提案されたのが、ディック・ブルーナのデザイン・コンセプトを取り入れるという選択でした。ブルーナさんのデザインは、シンプルななかにも「想像の余地」を残し、それがこどもたちの未成熟な柔らかい感性をつついてくれます。床とも壁ともつかない境目や、不思議な線のつながりは、こどもたちに「自由な発想」のヒントを与えてくれています。』

「お互いの気配」を感じられる開放的な空間

上原隆寛園長『園舎では、保育士でもこどもでも、「お互いの気配」を感じられることを重視しました。安全性の面からも、誰が・どこで・なにをしているのか、見通せるようにしたかったのです。そこで園舎のどこにいても、光と風を感じられる、開放的な心地よい空間となりました。3歳以上のクラスでは、「寝食別離」を取り入れています。給食を食べるのは、吹き抜けの天井から光が差し込むランチルーム。お昼寝は、遊戯室に布団を敷いて寝ています。遊びと寝食の場所を分けたことによる最大のメリットは、こどもが「見通し」をもって、落ち着いて行動できるようになったこと。1日の中でのスケジュールがわかっていれば、次に行くべき場所、「やりたいこと」と「やるべきこと」を見極められるようになります。』

社会福祉法人興善会
施設名 しらさぎ保育園
  所在地 東京都板橋区
 構造規模 鉄骨造2階建て
 延床面積 1115.28㎡
 竣工年月 2016年3月

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