こどものための認定こども園・幼稚園・保育園

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【2分で読めるコラム】園庭と園舎をつなぐ中庭の工夫

今回は、沖縄市にある『きらきら保育園Ageda』を紹介したい。

当園は、車いす利用者駐車場アプローチ~トンネル状通路~園庭までをフラットに通り抜け出来るようなレベル設定となっており、通常保育園に設けられているような段差のある『玄関』は設けられていない。そのトンネル状のデッキ小道は取外し可能となっており、デッキの下には、可愛らしく明るいキリン柄の床仕上げが顔を出す。

デッキの上は靴の履き替えが必要だが、通路部分のデッキを取り外すことで玄関ポーチから奥の園庭まで土足での通り抜けが可能となり、お迎えの時間いっぱいまで園庭で遊びまわることができる。

沖縄には青空、晴天のイメージがあると思うが、実は一年を通して曇りの日が多く、地域的にスコール(突然の大雨)があり、保育園では園庭が濡れてどろんこで遊びにくい場面も多い。その際には、今回設置した、半屋外的空間で雨の日でも濡れずに遊びまわれる場所として、ランチルームと一体化したデッキスペースが全天候対応型の中庭として効果を発揮し、その中庭は『吹抜け』を介して更に2階ベランダと繋がる。

沖縄の保育園ではプール遊びは本州よりも期間が長く6月~9月頃まで行われ、組立て式のプールを設置することが多い。しかしその期間プールを設置してしまうと、プール利用以外の時間は、子どもたちの遊べるスペースが狭くなり制約を受けてしまう。

今回も設計当初はデッキの上に従来通り組立て式プールを設置する計画で進めていたが、埋込型プールとし、かつ可動式デッキとする事で、プール利用以外の時間においてもその上のデッキで遊ぶことができるため、『夏場のプール遊びと普段使いできるデッキ』として、限られたスペースを有効利用している。

園舎と園庭は分けて考えられがちだが、園舎への入り口、駐車場から続く導線、中庭である一体型デッキ、プールの設置方法など、ストーリーをもって検討することで、子どもたちの遊ぶ場所・遊びへの探求心は、計画によりさらに深められるものだ。この土地の空気、気候の中で、子どもたちが毎日この場所で、きらきらと過ごしてくれることを願う。

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