こどものための認定こども園・幼稚園・保育園

地域や取り巻く環境が異なる園さんの中でも、人気のある園さんや、
職員さんの定着が良い園さんは、足を踏み入れたときから、どこか
気持ちの良い雰囲気を感じるものです。

時設計では、そういった園さんを、実際に体感していただき、
「その気持ちよさって何だろう、一体どこから来るのだろう」と
そんな疑問をその場で聞ける場として、見学会を企画実施しています。

見学会の流れ

見学会では、まずは、園舎内を見学していただいた後、園庭見学を行ない、
その後、質疑応答の時間という流れで、見学会を実施しています。

見学会はフランクな形で進行しています。
記事中の先生たちの会話は、今回の記事化にあたり、意図が変らない程度に、読みやすいように編集しています。
下記より、見学会の一部をレポートとしてお届けします。

想定している読者

この記事は、他園舎様の取り組みを参考にしたい園さんに向けた記事です。

見学した園舎様の紹介と出会い

今回、見学で訪れたのは、静岡県駿東郡長泉町にある「幼保連携型認定こども園 あまねこども園」さん。十数年前、法人設立のタイミングから、お手伝いさせていただいた園さんになります。

時設計では基本設計の工程において、2週に1度程度のお打合せが通常なのですが、
「あまねこども園」園長様とのお打合せは、週に2度というかなり濃い密度での実施となりました。「独自の考えやこだわり、熱い想いをお持ちだったことが印象に残っています。」設計担当者 山岡談

いつも職員さんが何人かで一緒に休憩を取り合ったり、
それが強制ではなく、自然発生する、風通しのよい、雰囲気を持つ園です。

今回、見学させて頂いた「あまねこども園」さんには
下記のような理念と基本方針があります。

保育理念  人生を自分らしく生き、社会に貢献できる人を育てたい
保育の基本方針  1:自分で考え行動できる人 2:感性豊かな人 3:思いやりの心を大切にする人

あまねこども園 園長先生

この理念や基本方針を踏まえた上で、当記事を読んでいただくことをお勧めいたします。

施設内には、あまねこども園のさまざまな取り組みが、実現されています。特徴的なのは、私どもが設計した空間だけではなく、あまねこども園さま自身で、さらにその空間を設計されていったことだと考えます。

園舎完成後も、お話を伺うたびに、園庭に森ができたり、小川ができていたり、天井に工夫がされていたり、部屋の中に部屋ができていたりと、どんどん変化していきました。

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見学者

なぜ、このようなコンセプトになっていったのですか?

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園長先生

自発性というか、そういう所を上手に引き出すには、色んなパターンがあると思うんです。

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園長先生

自分が好きっていうのと、自分が小さいときに、どんな環境だったら幸せだったかなというところがベースになっています。

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園長先生

幼児、3歳、4歳、5歳の部屋を見ていただくとわかるのですが、壁がほぼないので、自由度が高いんです。どうにでもできるっていう構成にしています。施設が完成してから何も手をつけないのは面白くないので、施設が完成してからも少しずつ手直しをしていける状況の方がいいかなと思っていました。

園長先生の思いの詰まった空間は、先に掲げた基本方針を育むための環境になっています。

【補足】異年齢保育とは
縦割り保育とも呼ばれます。一般的には、年齢ごとにクラスわけを行う「年齢別保育」とは異なり、異なる年齢の園児たちが関わることで、年上は年下に教えたり世話をしたり、年下は、お世話をしてくれる年上を頼ったり、憧れたりと、実社会と同様に、異なる年齢差でのコミュニケーションが人間的成長につながると考えられている教育法と言われています。また、異年齢保育の中にも、イエナプラン教育法、モンテッソーリ教育法など多岐にわたります。

【園舎見学】

玄関ホール

玄関ホールは、あまり園というイメージでは作っていないと話す園長先生。日本の文化や生活を見せるということに重点を置いているといいます。

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園長先生

正面にはシューズクローゼットが入ることが一般的かと思いますが、それは、横に用意しています。

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園長先生

花なども入れて定期的に四季を感じられるような雰囲気を作っています。

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見学者

こういった考えにした理由は何かあるのでしょうか?

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園長先生

日本人ということですね。やはり日本の文化を知らない人が、年を重ねて世界に出て行くっていうのではなく、“日本(と言う文化)”を大事にしながら世界とどう関わっていくかというのが重要かなと思っています。日本の文化ってすごく難しい、説明がすごく難しいと思うんです。だからこそうまく間接的にアプローチしていくっていうか、こんなのあったなって将来の中の記憶に残していきたいのです。

園庭

続いて園庭の見学を開始した頃には、雨が降ってきました。興味深く園庭の木々を眺める見学者の皆さん。園長先生はこう説明します。

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園長先生

ここは、何となく、森という感じです。植えている木もブルーベリーやブラックベリー、さくらんぼといった食べられる実がなる樹木にしています。

視界を遮るように配置された樹木は、みんなで植樹されたとのこと。あえて、真っすぐではない、先が見通せないように配置された樹木によって「この角を曲がったら何が見えるだろう」「この小山を越えたらどんな景色が見えるだろう」と大人の私たちもついつい足を進めたくなる園庭でした。

この後、園内に戻り、ホールや各教室についての見学へと続きます。

【園舎見学】

ホール

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園長先生

ランチルームとして活用していますが、昨年からは各部屋での食事に切り換えて実施しています。現在、このホールはお昼寝だけに使うんですが、ほぼほぼ午前中はここが空くので、子育て支援的なことをやっていこうと計画しています。

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園長先生

クッキングも結構やります。子供たちが育てた野菜とか、何か作りたいものがあれば買い物に行って調達してここで料理をします。

調理室もなるべく子供の目線を意識したつくりになっていて、栄養士、調理師、パティシエの方が勤務しているとのことでした。職員さんの忘年会の景品としても、給食室の食事券が人気なほど、魅力的なんだそうです。

0歳児/1歳児/2歳児

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園長先生

0才の中でも月齢があるので、その状況に合わせて環境を作っています。幼児だと広い中で空間を作るんですけど、小さい子はなるべく狭い空間を、完全に壁のある空間を作ってあげた方が落ち着くと僕は思っています。

テラス園庭付近遊び場

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園長先生

園庭はもともとまっ平でした。少しずつ手を入れて。ベースは回廊というか、通れる道が色んな所にあります。
下のテラスもなく、普通に芝生でした。陽が当たらなくて、水はけも悪いんでどんどんはがれちゃったので、作りました。

【質疑応答の時間】

開園して6年目立とうとしている中、保護者の皆様からは、当園の保育に対して、
「当初理解に苦しみましたが、結果的に良かった」というような感想を頂いています。

質疑応答の場では、多くの事例をお話しいただきました。こちらでは一部を紹介いたします。

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見学者

職員間でのコミュニケーションどうしていますか?

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園長先生

話し合い、会議、園外での交流、個別交流、グループ交流を盛んに行いました。コミュニケーションスキルアップ研修・玩具や環境構成アドバイス等の外部講師を呼び研修をしています。

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見学者

幼保連携型にされた理由は?

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園長先生

今まで保育園では、働いているか否かで入園できるかどうかが決まっていましたが、地域のお子さん皆さんを預かるという部分では、どの子でも見られるっていうそういう事を考えると幼保連携型以外の選択肢はなかったです。

そのほかの質問

 ・空き定員問題や保育園の地域における可能性についてどうお考えでしょうか?
 ・子育て支援は、子育て相談以外にも取り組まれていることはありますか?
 ・保育以外に取り組まれていることや計画されていることがあれば教えていただきたい。
 ・求人募集での工夫や、採用で特に気を付けているところはどういうところ?

などの質疑応答が繰り広げられました。

【補足】幼保連携型認定こども園とは
教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設。
各基準や機能を満たす施設は、都道府県等から認定を受けます。その中でも、幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ施設を幼保連携型と内閣府は認定しています。
内閣府HP 配布資料:https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/pdf/pamphlet_1-5.pdf

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見学会「CHAIN」を実施しています

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