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レッジョ・エミリア市を含むイタリア5都市の幼児施設と世界遺産を訪問~世界遺産編01~

第11回 欧州視察 (イタリア) 250906-250914

250906 – 250914

世界遺産と都市空間の視察へ

海外研修見学会として、前回の記事に引き続き、研修で訪れた世界遺産や都市空間についてご紹介いたします。
歴史的建築や再開発地区の視察を通して見えてきた、イタリアにおける都市と建築の関係性についてお伝えしていきます。

アルベロベッロのトゥルッリ(世界遺産)

プーリア州 バーリ

おとぎ話のような景観を守り続けるトゥルッリの街

アルベロベッロは、イタリア南部プーリア州にある街で、「トゥルッリ」と呼ばれる白い漆喰の壁と円錐形の石造りの屋根を持つ伝統的な家々が密集しています。1996年には「アルベロベッロのトゥルッリ」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

イタリア南部はかつて全体的に貧しい地域であり、中央政府への税金逃れのため、すぐに解体できる簡素な構造で建てられたことが、この建築様式の始まりといわれています。

そうした背景を持ちながらも、この独特な建築は現在も生活の中に息づき、おとぎ話のような景観を形成している点が評価されました。

なお、アルベロベッロは、日本の世界遺産「白川郷」と姉妹都市の関係にあります。

マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園(世界遺産)

バジリカータ州 マテーラ

自然と共に再生した洞窟都市・マテーラ

マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園は、イタリア南部の町マテーラに位置し、グラヴィーナ渓谷の斜面の岩肌を掘って造られた「サッシ」と呼ばれる洞窟住居群が広がる地域です。サッシとは、岩を意味するイタリア語「サッソ」の複数形で、約3,000〜4,000もの住居が何層にも重なり、渓谷を埋め尽くす壮観な景色を形成しています。

マテーラの歴史は非常に古く、この地に人類が住み着いたのは約7,000年前ともいわれています。

1950年頃には衛生環境の悪さから「イタリアの恥」と呼ばれた時期もあったそうですが、その後、政府による法整備が進められました。洞窟住居を含む街全体が、自然と調和した関係を築いてきたことが評価され、1993年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

ボローニャの街とポルティコ群(世界遺産)

エミリア・ロマーニャ州 ボローニャ市

学問と回廊が息づく街・ボローニャ

ボローニャはイタリア北部にある街で、1088年に創立されたとされる西欧最古の大学、ボローニャ大学を擁する学問の街です。

また、酪農や農業、産業も盛んで、州としてはイタリアで4番目にGDPが多い地域でもあります。

街の中心にはマッジョーレ広場があり、四方を歴史的建造物に囲まれています。中でも圧巻なのが、ヨーロッパで7番目の規模を誇るサン・ペトローニオ大聖堂です。高さ51mのゴシック建築は、街の象徴的存在となっています。

街中には、歩道の上にアーチ状の屋根をかけ、柱で支える「ポルティコ」があちこちに見られます。その総延長は市内全体で約45kmにも及ぶといわれています。

この柱廊のある街並みはユネスコの世界遺産にも登録されており、サンタノ教会周辺には木製のポルティコも残されています。歴史と日常が重なり合う、ボローニャならではの都市空間が広がっています。

ザ・ミュゼ(自然科学博物館)とル・アルベーレ(再開発区域)エリア

トレント、アルト・アディジェ州ボルツァーノ自治県

産業跡地から生まれ変わった持続可能な都市再生

かつてミシュランの工場があったこの地区は、自然科学博物館をはじめ、集合住宅や商業施設、ホテル、大学博物館、公共の公園を併設したまちとして再開発されました。

エリア全体の計画は、イタリアの建築家レンゾ・ピアノによって包括的に行われ、再生エネルギーを積極的に活用した、環境にやさしく持続可能なまちづくりを目指して設計されています。

世界遺産と都市空間の視察02へ続く

次回は、ボルツァーノの旧市街地からご紹介していきます。