内装材を考える2【床材と色】
次に内装材の「色」について触れたいと思う。
内装の色を決定する際、できるだけお客様のご要望に応えられるように、たくさんカラー展開されている商品をご案内している。
例えば、壁紙。お客様が「オレンジ色」の壁紙をご要望であれば、某メーカーから出ている「アプリコット」「はちみつ」「みかん」「柿」など、自然にある物や食べ物で色を例えている商品をおススメしている。
具体的な物に例えられているおかげで、色をイメージしやすい。
又、一言に「みどり」といっても、「ローリエ」「バジル」「シークワーサー」など絶妙な色使いの壁紙がグラデーションのように用意されていて、お客様と一緒に楽しく選定することができ、また実際に園舎が竣工し保護者や近隣の方などにお披露目する際にも、「この保育室は『白桃』色」と紹介することで、空間に対して優しいイメージを持ってもらうことができる。
建具や家具に色を付けたい時、床が木質やコルクのような落ち着いた茶色であれば、天井にも木調のクロスを貼るなどして、色の部分を強調するのも面白い。
ガラス面に貼るシート材にも色がグラデーションのように展開されている素敵な材料がある。
こちらは、園児のガラス面への衝突防止や、外部からの覗き見防止、また近隣の方から「保育士や園児と視線が合うことを避けたい」というご要望が出た時などに使用する。
一口に「内装材」と言っても、性能や材質など種類は様々である。
天井なら残響音を考慮した吸音性、壁なら汚れづらさ、調湿性や防カビ性。腰壁ならこどもが衝突したとしても丈夫で、落書きや汚れを落としやすい材料かどうか。
デザイン面で言えば、滞在時間が長くない空間、例えば園児トイレや図書コーナー、玄関ホールや階段などには、発色のよい明るめのカラーや柄もの、レンガなど、ポイントとなるものを使いやすい。
内装材は、価格や建築基準法等の法律や地域による条例により、使用できるもの、使用出来ないもの、一部分のみ利用できるものなど、性能やデザインだけでなく色々な要素を鑑みて選定し、決定する必要がある。
私たちは日々、新しい情報を取りいれながら、よりよい園舎になるよう、お客様と共に試行錯誤を繰り返しています。