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【コラム】曲げちゃうヒトタチ2

“対談者紹介”
株式会社時設計
 建築設計部長 松坂俊一
 建築設計課 安藤由紀子
 施設コンサルタント課 広報担当 佐々木菜子

佐々木 今回は、園舎設計にカーブを多用し独特な世界を創り上げている松坂さん、安藤さんに話をお聞きし、その意図や曲面へのこだわりに迫ってみたいと思います。

前回の記事はこちら

佐々木 安藤さんはどうですか?安藤さんといえばリーチェル幼稚園さんのうねった屋根
がとても印象的です。一方で施工は苦難の連続だったと聞いていますが。

安藤 リーチェルさんのカーブが決まっていったのはJSDさんとの会議でしたね。最初屋
根だけがサインカーブで湾曲する形でしたが、ふとそのカーブを地面まで到達させる線を
描いたら徐光さんがそれに乗って頂いて。横に座ってる松坂さんを見たら「それはやり過ぎ
じゃない?」という顔をしていたのを覚えています。(笑)

松坂 造形的なインパクト、押しが強すぎるなと一瞬思った。でも、そこが「森のホール」
という園のシンボル空間となること、そのアーチがこどもたちが毎朝登園するゲートとな
ることなど、機能とのマッチングを理解した後は「必然性のあるR」「Rにする劇的な効果」
を共感できました。

安藤 施工は本当に大変でした。躯体工事中と工期終盤は地元工務店の優秀なエースが鬼気迫る表情で現場を動かしていました。ですので出来上がった建築が雑誌で取り上げられたり、「キッズデザイン賞」や施工業界で「もの創り大賞」を受賞したりして、造り手が勲章を得られたのを心からうれしく思います。

佐々木 その喜びを時設計も共有させていただきましたね。先程から出ている「必然性のあるR」「曲げる効果」についてもう少し聞かせてください。

松坂 僕が設計に曲線や曲面を用いるのは、外観においてはその立地する地域に対しそれがこどものための施設であることを知らせるランドマーク性の獲得のためです。パステルカラーの外観やキャラクターの装飾などではなく、柔らかく、やさしいフォルムで子育て施設としての存在感を示したいと思っています。そして園内の楽しさが表出したような外観づくりです。こどもたちの自由な躍動感を形にしたいとも思っています。

佐々木 園舎の中に入っても曲線や曲面が印象的に使われていますね。

安藤 内部においては、先ず第一にこどもをやさしく包み込む空間のためです。角が無いという安全面も勿論ありますが、曲面の表情はやさしい。陰影も時間によって穏やかに変化します。水平・垂直・直角では得られない空間体験がこどもたちの感性を刺激すればと考えています。

松坂 そして楽しい空間演出、オリジナル空間創出のためです。こども図書館やDEN(隠れ家)などのスモールスペースには円弧を用いた造形がよくマッチします。また「みどり認定こども園」のオーバルホールと呼ばれる楕円の吹抜け空間は、直方体のホールでは得られない祝祭性があり「ハレの場」となっています。円にしても楕円にしてもその普遍的図形のつくりだす空間の力、強いシンボル性をいつも実感します。

佐々木 なるほど。曲げる必然性について少し理解できた気がします。

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