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内装材を考える1【床材と色】

保育室の床材には、その温かい表情から無垢フローリング、複合フローリング、木調の厚手のビニールシートを使用する事が多く、また腰壁材には無垢の羽目板に塗装して使用したり、薄手の合板を使用した商品を採用したりすることが多いが、今回は、床材と腰壁材にコルクを初めて使用したケースをご紹介したい。

コルクとは、コルク樫の木の皮を砕いたものである。コルク樫は丁寧に手入れすれば、150~200年もつと言われるほど非常に生命力が強く、また、コルク樫の皮は剥がれても9年ほどで再生するため、木を伐採することなく何度も利用できる。
エコであり、また、腐食にも強い。このように環境に優しい材料であることから、お客様から、「新築の保育所の床と腰壁に是非使用したい」とご意見をいただいた。

保育室にコルクを使用するのは初めてだったので、懸念事項が2点挙がった。1点は水に強いかどうか、もう1点はこどもたちがつついてコルクに穴をあけたり、その穴をかき出したりしてボロボロにしてしまうのではないかということだ。

保育室に使用するのであれば、食べこぼし等を考えると出来れば水に強い材料であることが望ましい。
コルクは水をよく吸収するイメージがあったが、ワイン瓶に栓をしているコルクを思い出し、実際に調べたところ、防水程の機能はないものの優れた撥水機能を持つことが分かった。
実は水に強く腐りにくく、化学変化を起こしにくいという特徴があるそうだ。

懸念事項2点目の劣化については、コルクタイルはフローリング等と同様に1枚ずつ貼って施工する為、たとえ穴が開いてしまったとしてもその部分だけを張り替えて対応できることが分かった。
実際に床材にコルクを利用している福祉施設を見学し、撥水や劣化についても確認したうえで最終的な使用を決定した。

施行してみた結果は、とても良かった。まず、足触りがよく、そして温かいのである。
竣工時期の3月はまだ肌寒く、気温が低いと足元から冷える。しかし、このコルクの床は足裏が暖かく、床暖房並みとまでは言えないが十分な温かみを感じた。
厚さ7ミリのものを使用したためクッション性に優れており、こどもが寝転んでも肌触りがよく、転んでも危険が少ない。又、歩いても足触りがいいと保護者からの評判もいいそうだ。これは、日々保育を行う先生方の足、腰の疲労を軽減する効果もある。

内装材を考える2【床材と色】に続く